今回は10月末に孵化したナナフシの幼虫と食べ物の記録。硬い落ち葉、花びら、そして思いがけない狂い咲の桜まで、餌探しの軌跡です。

時期はずれの誕生だったため、葉っぱを集めるのが少し大変かなと思っていた。春なら桜の葉っぱが豊富にある。これはナナフシの好物だ。けれど10月末から11月に入ると、葉は少なく残っていても赤く硬くなっているため食べられる状態ではなかった。
コナラやクヌギの葉もナナフシは食べるが、この時期のものはかなり分厚くしっかりとした葉になっているので、成虫なら食べられるかもしれないが、生まれたばかりの幼虫には硬すぎた。
その中でアカメガシワなら、比較的柔らかく、秋になっても硬くなりにくい。これをベースに育てていこうと考えていたが、やはり一度も脱皮していない幼虫にとってはこの葉でさえか硬すぎるようだった。

※画像の日付は10月末頃のもの
葉っぱ以外のものを探す

※キンモクセイとコスモス風の花を与える。これも10月末頃
これまでの飼育していた経験から、ナナフシは花びらを好んで食べることを知っていたので、道端に咲いていた花を試してみることにする。キンモクセイと、コスモス風のオレンジの花と、こぶりな白い花の3つを取ってきた。キンモクセイとオレンジの花は全く食べなかったが、白い花は少しだけかじった様子が見られた。ただし、たくさんの花びらがあるにもかかわらず、ほんの一欠片二欠片しか食べていないことから、これらは本来の食草ではないのだろう。
※10月末頃に咲いていた白い花
桜を発見
そんな中、暖かい秋の日に偶然、桜が狂い咲きしているのを見つけた。落ちている花を拾って与えてみたところ、これは予想通りよく食べた。他の花とはちがって食いつきの良さは一目瞭然だった。
※動画の日付は10/20
葉っぱのときもそうだが、ナナフシの食草の選別の仕方には不思議な点が多い。食べられる植物と食べられない植物をどのように見分けているのだろうか?
色や形で認識しているのか、あるいは匂いのようになにか葉っぱから立ち上る物質を検知してるのか。それとも、遺伝的に決まった植物がインプットされているのか。食べないものはほぼ齧ることもないので、味というよりは上記の方法で察知しているようなのだが。本当に不思議だ。
狂い咲きの桜のおかげでいったん食料は確保できたものの、これは偶然みつかっただけ。今後も食料を探し続けていかなければ。
(つづく)
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