助手コラソンの夢【第6話】雑草管弦楽団(第二章・開幕)

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【第6話】雑草管弦楽団(第二章・開幕)

よし、みんなあつまったら楽器を持ってください。そう、そこにあるやつ。小さいのがバイオリン。中くらいがビオラ。ちょっと大きいのがチェロで、一番大きのがコントラバスです。はい、それぞれ好きなの取ってくださいね。

オレ……、バイオリン ヤル。オマエ、チェロ ヤル。

オレ、チェロ。コントバスはオマエ。

コ、コ、コ、コントラバス?

イイカラ、ソレモッテタッテレバイイ。

用意はいいですか? ではまず、音を合わせましょう。

ふんふんふん♪
ふんふんふんふふん♪

うん、いいですね。

じゃあ、次は曲を弾いてみましょう。

たたたん♪
たたたん♫
タラララーン♬

はい、みなさんとてもいいです。

なんか賑やかだなあ。なにやってるの?

おかえりなさい。ケンタロウさん。
もしかして、うるさかったですか? 合奏の練習をしていまして

いや、構わんよ。ちょうど休憩しようと思ってたとこだし。

そしたら、よかったらそこに座って聴いてみてください。とっておきの曲を披露しますから。

いいね。やっぱりチェロは癒やされるね。

それはよかった。みんなで頑張って練習しました。

でも、これヨーヨー・マの演奏じゃない? 

あ、わかりましたか! じつは、まだちゃんとした曲は弾けないんです。せっかくなんで、いいところ見せようと思って。音源を当ててみました。えへへ。

ズコッ
まあ、いい演奏聴けたからいいけども…

(つづく)

あらすじ


本棚作りのため、助手として雪だるまを作り出したコラソン。ケンタロウから「ニエベ」という名前を授かった雪だるま達は、金属のアームを備え、コラソンの力仕事を手伝うことになった。
コラソンは、ニエベ達と仕事に取り掛かっていると思われたが、工房には音楽の響きが。コラソンとニエベ達による「雑草管弦楽団」の練習が始まったのだ。小さな図書館作りの新たな一歩?が、今動き出す――。

キャラクター

コラソン(Casa do coração): 雑草荘の助手を務める木の家。本が大好きで、将来は小さな図書館を作ることが夢。 火と泥棒が苦手な慎重派。知的好奇心旺盛で、音楽にも興味津々。

ケンタロウ: 雑草荘の工房主。コラソンの突飛な発想や暴走気味な計画を、時に突っ込みを入れながらも温かく見守る。

ニエベ:コラソンが作った雪だるまの助手。名前はスペイン語で「雪」の意。金属のアームを持ち、コラソンの力仕事を手伝う。単純な性格になるよう期待されている。

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雑草荘 Zasoso (Short and Art)