ナナフシ観察記録📒【2】卵の管理について

ナナフシ観察記録📒 最新の履歴

卵の保管について

家でナナフシを育てるときに、悩ましいのが卵の保管方法でした。今回は5世代の飼育の試行錯誤の記録になります。

カラテアの植木鉢にナナフシの卵を蒔いた。とても好きな植物で、常に目に入る場所、デスクワークや食事をするテーブルの上に置いてある。ここに蒔いておけば、もし卵が孵っても、わりと発見しやすい。

そもそも、なんでこんなところに卵を蒔いているのかというのを、前回書けなかった分、書いておこうと思う。これは、ナナフシを飼っている人に役立てばという側面もあるのだけど、自分でもその試行錯誤の過程を忘れてしまうので、読み返せるようにしておきたい。

前提としての孵化の時期

ナナフシは夏に卵を産み、その卵は冬を超えて春に孵化する、と言われている。一通りネットや図鑑などをみても同じようなことが書いてあって、ただWikipediaでは卵が孵化するまでの期間は13日から70日以上(平均は約20日から30日)と、意外とはっきりしない。ナナフシでもいろいろな種類があるので、一概に言えないのかもしれない。

ならば、どうせ好きで飼っているのだから、自分の感覚を頼りに試行錯誤していくことにした。

第1世代ナナフシの卵

細かい時系列がかなりあやふやになっているののだけど、いまある写真と記憶に頼って書いていくと、

室温で保管

まずは、タッパーにキッチンペーパーを敷いてそこに並べる形で保管した。ときおり水気を与えるために、霧吹きをかけたりする。これで春までやってみるつもりだった。

が、やってみるとこれが結構大変で、水気を与えているから、ペーパーがカビのように黒ずんでくるので、マメに交換しないといけない。

しかも、春頃に産まれるという予想に反して、11月の中頃に1匹産まれてしまった。発見したときには、卵の入口に引っかかっていて、すでに弱っていた。なんとかピンセットみたいなものを使って、卵から出してみたが、その後、死んでしまう。

冷蔵庫で保管

次に、冷蔵庫で保管することにした。冷蔵庫なら秋に産まれてしまうこともないだろうし、カビなどの汚れもつきにくいのではないかと思った。

ただ、やってみると冷蔵庫とはいえ、水気が多いとカビは生えてしまう。しかも奥の方にしまうため存在を忘れがちで、気がついたときの掃除は室温で保管のときよりも大変だった印象がある。なので、水気をつけるのはやめて、乾燥させたままタッパーで保管するとにした。

ナナフシの卵は、鳥に食べられても平気でフンとして落とされながら生息域を広げているという植物の種のような能力がある。その植物の種の連想で、それならば乾燥させたままでも平気だろうと考えてみた。

観葉植物の鉢に蒔く

残ったものは室内の観葉植物の鉢に蒔くことにした。

これは、万が一冷蔵庫の保管が失敗する可能性もあるので、念の為の保険のような意味がひとつ。

それから、卵だけを集めるのが大変だったからというのがもう一つの理由。産卵期のナナフシは毎日卵を産む(大体1日3個くらい)、しかも上から飛ばすように産むので、枯れ葉やフンなどと混ざってしまう。カゴを掃除したときに、その枯れ葉やフンなどと一緒に卵を捨ててしまうことを防ぎたい。まるごと鉢植えに撒けば、葉っぱやフンは土に還る。卵はそこで産まれることができる。しかも手間もかからない。なかなかいい場所だと思った。

第1世代ナナフシの卵の孵化
鉢植えの卵

まずは鉢植えの卵が孵った。まだ冬のさなかの12月の終わりごろのこと。ふっといつもの植物を見ていると、「ナナフシの赤ちゃんいた!」といった感じで気がついた。やはり日当たりのいい部屋だったので、もう春だと思ったのだろう。

年が明けてからも、鉢植えからチラホラと数匹が産まれてきた。

産まれきたのはうれしいけれど、やはり1月にはナナフシの餌になるような葉っぱがない。

どうしようかなと考えながら、ナナフシを観察していると、鉢の中の枯れ葉を食べているような形跡があった。これはもともとナナフシが食べ残した桜の葉っぱで、たしかに種類としては食べてもおかしくない。何もなければ枯れ葉も食べるのか。これは新たな発見。枯れ葉ごと卵を蒔いたのが、功を奏した形に。

とはいえ、枯れ葉は主食にはならないだろうし、それもかわいそうだ。ここから冬季のナナフシの食探しの試行錯誤が始まる。けれど、ここでは卵の話ということで、その試行錯誤はまた別のときに書いていこう。

冷蔵庫の卵を取り出す

その後、ナナフシのエサになる植物が見つけられるようになったので、冷蔵庫の卵も室内に出して孵化させることにした。

この辺は記録が見当たらないのであやふやだけど、冷蔵庫組は10匹くらい産まれたと思う。合計15匹だったので、鉢植え組が5匹くらいか。

今思うと、冷蔵庫で保管した卵は、数が多かった割に産まれた数は少なかったと、この時点で気がつくべきだったのかもしれない。

第2世代ナナフシの卵
冷蔵庫で保管

年末年始に産まれたナナフシが卵を産み始める。たしか、夏前には産んでいたように思う。

保管の仕方は、タッパーに入れて冷蔵庫にしまっておくことにした。やっぱり、あんまり早く産まれると、食べ物が大変だ。

それで、最初はなるべく卵だけを取り出していたが、やはり集めるのが大変なので、葉っぱとフンをすべて一緒にして、そのままタッパーへ入れた。

フンと言っても、ナナフシのフンは、食べ物が葉っぱのみで、かつ乾燥しているので、全く汚くないし、嫌悪感もなかった。それどころか、主に桜の葉を食べさせていたので、ほのかに桜餅のような匂いがした。

全部で15匹なので、小さめのタッパーがいっぱいになるほど、卵が産まれた。

卵の孵化

2月頃からナナフシのエサが手に入るので、その頃から室内に出して孵化するのを待つ。

大量の卵なので、相当数産まれるだろうと思っていた。それにあわせて新たに飼育ケースを作ったりした。おそらく、それでも足りないだろうと思っていた。その場合はどんどん元の公園の林道に放していくという計画も立てた。

が、思いの外、卵は孵化しなかった。また、孵化はするものの、卵から出てくる途中で失敗して、弱って死んでしまうものも多かった。産まれたばかりのナナフシは、乾燥に弱そうに見えた。水気が足りなかったのかもと、並べている卵に毎日霧吹きをかけたりもした。ただ、かけ過ぎると水分がたまりカビのようなものが生えてきてしまう。これも少し困った点だった。

正確な数は記録できてないけど、きちんと育ったのは10匹前後。あれだけの卵(多分500個以上はあったと思う)から、その数しか育てられなかった。

前回は50個ほどの卵を孵して、15匹になったと言うのに。

第3世代ナナフシの卵
冷蔵庫はNGとする

2世代飼育してみて、まず冷蔵庫の保管はやめることにした。水分が足りない可能性があるし、それかもっと根本的に、長い時間を一定の温度で過ごすというのが、生命力が育まれない原因の可能性もある。とにかく冷蔵庫はいけない。

自然に一番近いのは、ベランダの植木鉢に卵を蒔くことだけど、そうすると、孵化して出てきたときに発見するのが難しい。

そうなると室内の植物で、一番目に付く鉢に蒔いておくことが、一番いいように思えた。

室内とベランダに

そこで、お気に入りで、しかも大きさもちょうどいいカラテアの鉢にほとんどの卵を蒔くことにした。あとは、同じ室内の観葉植物の鉢にもパラパラと蒔いた。あまり一点に蒔きすぎても、混み合ってしまうと思った。

あとは、万が一のことを考えて、1割の卵はベランダの植木鉢に蒔くことにした。本当のところ、何がナナフシの卵にとって良いのか、実際のところまだわかってないからだ。

さらに、第2世代が産んでいまだ孵化していない卵も捨てずに取ってあるので、だめとは思うものの、ベランダの植木鉢に蒔いた。

孵化しない

第3世代の卵はなかなか孵化しなかった。室内に蒔いているのに、年が明けても1つも孵らなかった。この3世代目のときに引っ越しがあったので、環境が変わった影響があったのかもしれない。成虫のナナフシたちも早めに死んでしまった。

3月31日孵化する

とうとう発見!ナナフシの赤ちゃん。おどろいたことに、ベランダの植木鉢にいた。産まれてきたのも嬉しいけど、見つけられたのも幸運だった。風もあるし捕食者もいるだろうし。時期的にも、諦めかけてたし、もともとベランダの植木は毎日観察しているわけでもなかったので。

けっきょく、この1匹だけしか孵らなかったけど、いろんな偶然が重なってナナフシ生活がつながったのが嬉しい。

第4世代ナナフシの卵
カラテアの鉢に蒔く

いままでの試行錯誤があって、やはり室内の鉢植えが最善と思い、4世代目の産んだ卵は8割くらいカラテアの鉢植えに蒔いている。残りは他の観葉植物と、ベランダの植物に分けて蒔いた。

その卵が早々と10月に孵ってきた。時期は早いけど、産まれないよりはずっと良いし、また時期をコントロールしようとするのも、それはそれでうまくいかないことも多いので、室内の鉢植えに蒔き、産まれたものを見つけて育てていくのは、わりといい方法だと思っている。

さらに工夫するなら

この方法で困るのは、産まれたナナフシを見落としてしまうことだ。ナナフシが部屋を歩き回るのはまったくかまわないけれど、基本的に食べるものがないし、それにうっかり潰してしまう事もありえる。

それを防ぐとしたら、飼育ケースの中に鉢を置いて、そこに卵を蒔くというのは良さそうだ。ただ、ナナフシがいないときは、他の虫を入れて使うこともあるのと、何にもいないケースの中に鉢を入れても、水やりを忘れてしまいそうなのがネック。

そうしたら、ナナフシの孵化用のケースを1つ作るのと、土だけを入れ物に入れて、そこに卵を蒔くのが、今のところのベストかもしれない。

まあ、放し飼い状態にして、偶然にナナフシの子どもを見つけるのは、かなり楽しい瞬間なので、それは捨てがたいけれど…。

(つづく)

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