音楽制作日記🎧️#1「昼下がりの工作室」

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先日、AIで作った音楽をYouTubeにアップロードしてみました。木工作品の制作過程を紹介する動画用のBGMとして作った曲です。

「AIで作った音楽?」って思った人もいるかもしれない。でも、これが意外と面白くて数ヶ月前からハマっています。今回から何回かに分けて、その時の話をしたいと思います。でも、この辺は去年のことなので、もう情報としては古いかもしれないけれど、一応、AIを使った制作の体感みたいなものが伝えられたらと思いっています。

音楽作成日記🎧️#1

音楽は大好きだ。ただし、演奏するほうじゃなくて、純粋に「聴く」という意味で。楽器は弾けないし、作曲なんてもってのほか。でも、自分の好みははっきりしていて、音楽を「聴く」ということに関してかなりこだわりは強い方だと思う。

好みの曲を発掘する日々

昔は音楽雑誌を買いあさったり、レンタルCDを借りまくったりして、好みの音楽を探してた。ジャンルは問わず、自分の好きなメロディーやサウンドを発掘していくのが趣味だった。といって、曲はもちろん、情報にもお金がかかったので、その範囲はかなり限られてたけど。今ならYouTubeで好みの曲を聞きながら、横に出てくる関連動画と関連ワードを入力して芋づる式に辿ったりしている。昔なら一年がかりで聴いたような範囲を、一週間くらいで聴くことができる。

一通り採掘すると、自分の許容量がいっぱいになるのか、ぱったりと発掘をやらなくなったりする。その間は見つけた好きな曲を繰り返し聴いたりしている。そこで飽きてくると、また発掘の繰り返しと言う感じだ。

なので、自分の好きな曲のイメージには敏感で、そういう曲が流れるとイントロの2秒くらいで心を持っていかれることがある。ただ、それは特定のジャンルやアーティストではっきりと分けられなかたりするので、いくらYouTubeが手軽とはいえ、ここから新たに発掘するなかなか根気のいる作業でもある。

音楽を作れたら

そこで思うのは、自分の好みの曲をなにか作れたらなあと言うことだった。頭の中には、こんな感じの曲が欲しいというイメージが常にあるのに、それを形にする術を持っていない。楽器もできないし、音楽の知識もない。作曲ソフトを見ても、画面いっぱいに並ぶ専門用語の数々に気後れしてしまう。さすがに、ここから学ぶというのはハードルが高い。

一時期、カオシレーターというシンセサイザーの一種を触る機会があって、これならもしかして音楽作れるかもと思ったことがある。ただ、機材をそろえるのがそれなりに高くて、買おうか買うまいか迷ってるうちに、もう15年くらい経つ。

そんなふうにしていたら、AIで音楽が作れるという話が聞こえてきた。15年越しの夢が、思いもよらない形で実現できそうな予感がした。ずっと心の片隅にあった「音楽を作れたら」という願いが、突然現実味を帯びてきた。そんな時代が、本当に来てしまったのだ。

最初の一歩

さっそくAIツールをいくつか試してみた。Sunoともう一つ、Udioというツール。どちらも無料なので気軽に使えた。最初は特にすごいと評判のSunoを使ってみた。確かに曲はパッと作れる。でも、なんか思ってたのと違う。もっとこう、うーん。どうなんだろう、なんというか物足りない感じがした。じゃあ設定などを変えていろいろやろうかと思うが、使い方もなかなかわかりにくい。まずは本腰を入れて使う前に、もう一つのUdioを使い比べてみようと思った。

で、次に試したUdioが意外と自分に合っていた。操作性で言えば、こっちのほうがさらに使いにくいんだけど、早い段階で「おっ!」と思えるフレーズが出てきたのが大きい。あとは、30秒の短いフレーズを作って、それを伸ばしていく方式も面白かった。

一回のジェネレートで2分とかの曲が出てくるほうが手軽ではあるけど、全体としては冴えない感じの曲になりがちだ。ところどころ良いフレーズがあっても、2分間通して聞くにはちょっとつらい。でも30秒だと、その中に10秒くらいの「これだ!」っていうフレーズが見つかることがあっって、その曲ベースにして、それにどんどん伸ばしていくほうが自分好みの曲を作れそうだった。そのまま3分とか5分とか、ちゃんとした曲のような体裁にもできる。

ただ、毎回良いフレーズが出てくるわけでもなかった。10~20回のジェネレートでまあまあ良いのが一つ出てくればいい感じ。「これは!」っていうフレーズになると30回ジェネレートしても出てくるかわからない。これはこれで根気のいる作業だった。その頃のUdioはフリープランでも500~1000回分くらいのトークンがついてきたので、あんまり気にせずにどんどんジェネレートできたのは大きかった。Sunoはもっと少なかったような気がする。それもあって使わなかったのだろう。

なんだかこれって、浜辺で貝殻を探すような感覚に似ていると思った。無数にある貝の中から、光る貝を見つけ出す。形の整った貝、珍しい色の貝、そして時には「これは!」という特別な貝。決して完璧な形をしているわけではないけれど、なぜかこの色、この形と惹かれる。音楽も同じで、完璧なフレーズでなくても、なぜか心を掴むものがある。そんな心に響く音の欠片を拾い集めていく。

そしてまたこの作業は、散歩しながらやるのにちょうどよかった。スマホで操作して生成、そのフレーズを歩きながら聴く。不意に、ぶるぶると心に響くフレーズに出会う。イントロの数秒で心を持っていかれる、あの感覚にそっくりだった。

いつもの散歩が、貴重な音楽の実験場に変わった。信号待ちも苦にならないし、気がついたら遠回りしているような楽しくて充実した時間になった。

つづく

※30秒バージョンで出てきた自分好みのフレーズ。これをベースに曲にしたりする。

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